堺谷徹宏の
グルマン365
ときどき、チャーシューを作る。だいたい2キロくらいの豚バラブロックを適当なサイズに切って北京鍋に入れて外側に焼き目をつけていく。ある程度脂が落ち、こんがり色に染まってきたら5.5リットルの鍋に入れ、冷凍してある継ぎ足しのたれを解凍して投入する。たれはひたひたに浸かるくらいの量になるように、水や醤油、三温糖に気が向けば生姜を細かく刻んで入れる。沸騰したら灰汁をとり、90〜100分程度蓋をして弱火で煮込む。時々、たれの味をみて、物足りなさを感じれば、再度醤油か三温糖、他に料理酒、みりん、塩などを適当に足す。赤身にすうっと楊枝が通れば出来上がり。たれから出して粗熱を取り、ガラスの保存容器に入れて冷蔵。鍋のたれは、一晩冷まして表面に浮いたラードを取り除いてから大きめのジップロックに入れて冷凍。また美味しくできたことに感謝して次回まで冷凍庫で眠ってもらう。
こうして完成したチャーシューは結構使える。出来立てにあつあつのたれをかけても美味しいけれど、冷蔵庫で冷えてグッと肉の組織が締まった状態のものをスライスして茹でたてのうどんやそうめん、ラーメンにまぜそば、ご飯の上に載せてチャーシュー丼などに使用する。どれも軽く温めて少しだけほぐしたチャーシューの上にねぎやみょうがを刻んでトッピング、ごま油か山田製油のごまらあ油をかければ、ごちそうがすぐに完成する。ぼく流の時短クッキングはメインの作り置き惣菜ありきだ。この作り置きチャーシューを使って作ったのが冒頭の写真のチャーシューチャーハン。体育会アメフト部に所属する次男作。体育会らしい素早い段取りで材料を切って揃え、フライパンを振ってあっという間に仕上げてくれた。これが絶品。料理好きの父のごはんを食べさせられてきた子供たちは、おなかが空くと自然にキッチンへ入り、冷蔵庫を開けて材料を確かめるとおもむろに調理を始めたりする。たまにだけれど。ちょこっとした手間を惜しまずに、次のタイミングへ生かす。それが未来へとつながる。そんなことをまじめに考えていきたい。
堺谷徹宏
堺谷徹宏 プロフィール
グルマン・ゴーズ・トゥ・トウキョウ株式会社代表取締役。1960年北海道生まれ。明治大学文学部を卒業後、出版界へ。サラリーマン向け雑誌やモノ・カタログ雑誌、女性誌、単行本などの編集を経て、食品の通販事業に携わる。バイヤーとして全国をまわり、地域産品を掘り起こしてカタログで紹介・販売するだけでなく、富裕層へ向けたオリジナル商品の開発と販売にも注力。後に、カタログやWEBページのコピー執筆やビジュアルディレクションを通して、購買客へ美味をわかりやすく楽しく伝えることを主眼に置き、フードデザイニストとして独立。バイヤー、コピーライターとしての技も磨きつつ、隠れた美味を探しに今日も東へ西へ。
●お仕事のご依頼などはメールにてお願いいたします。tetsu.sakaiya@gmail.com
バイヤー堺谷徹宏(さかいやてつひろ)の
おすすめ商品セレクション
宮古島特産の素材がずらりでびっくり!
グランフェスタ代表の山下太郎さんと初めて会ったのは、2021年の10月。沖縄県那覇市で開催された商談・展示会で、山下さんはブースを構えていた。商談会のディレクターに「あそこの宮古島のスイーツはもう試食されましたか」と聞かれ、まだだったのですぐにブースを訪ね、カットされたButter Sand Holidayをひと口で食べた。天と地の位置の2枚のバタークッキーの間にふわふわのクリームがサンドされている。クリームの甘味の中にさっぱりした酸味を感じさせるフルーツの存在。全部で6種類。パッションフルーツ、マンゴー、黒糖塩キャラメル、シークヮーサー、ドラゴンフルーツ&バナナ、パイナップル。どれも宮古島特産の素材だ。
東京に戻り、都内で山下さんと商談をした。宮古島と東京の両方に事務所があり、行ったり来たりしているらしい。そもそもなぜこういう商品を作ろうと思ったのか伺った。
「10年ほど前に宮古島に潜りに行ったんです。昔の部下が結婚して移り住んでいたんですけど、滞在していてとてもいいところだったのでそこで事業をするのもいいなと保育関連の事業を立ち上げました。東京と宮古島を行ったり来たりする中で自分がお土産を買う立場になって、宮古島の良さ、美味しさを伝えられるものがもう少し色々あってもいいなと思ったのです」
かくして宮古島のアドバンテージである美味しいフルーツにフォーカスした、現地のスタッフと協力してのお土産の開発が始まった。
「宮古島にいらっしゃらなくても宮古島の豊かな様々なフルーツをもっと知っていただきたい、年中いつでもどこでも味わっていただきたい。そんな思いで作ったのがButter Sand Holidayです」
サブレの厚さとそれに対するバタークリームの量の調整を繰り返した。1個丸々食べることでフルーツやフレーバーを味わえるように。全部食べても飽きないように。バランスを大切に考えた。果肉の大きさを調整したり、種やドライフルーツをいれて食感を工夫した。かくして2021年秋に可愛らしいパッケージに包まれた完成形に。6種類のフレーバーの特徴を山下さんに聞いた。
マンゴー
「宮古島を代表するフルーツ、マンゴー。その甘味と酸味、そして香りもお楽しみいただけます。ドライマンゴーの食感もアクセントに」
シークヮーサー
「沖縄の太陽をしっかり浴びたシークヮーサーのさわやか香りと酸味が特徴。バタークリームとの相性もバッチリで、さっぱりと召し上がれます」
パイナップル
「希少な宮古島産パイナップルを大きくカットし使用。さわやかな甘酸っぱさと果汁や果肉感をたっぷり味わって頂けるフレーバーです」
パッションフルーツ
「まさにパッション=情熱の味!芳醇で華やかな香りと黒い種の食感はクセになります。南国トロピカルな雰囲気を感じて頂けます」
黒糖塩キャラメル
「宮古島産の純黒糖と雪塩を合わせました。甘味と塩味のバランスが絶妙で、なめらかなバタークリームとの相性も抜群」
ドラゴンフルーツ&バナナ
「ドラゴンフルーツの鮮やかな色とさっぱりとした甘み。そこへバナナを合わせ、お子さまにも喜ばれる食べやすい味に仕上げました」
どの素材も濃厚な甘さを持つバタークリームの中に埋もれることなく、しっかりと主張してくる。どの素材も宮古島固有の素材というわけではないけれど、このバターサンドを食べるとなぜか宮古島という島に行ってみたくなる。それは、山下さんたちがそれぞれの素材を生かすことを最大限に考えて開発してきたからなのだと思う。
「このバターサンドを食べることで宮古島での旅行を振り返ったり、行ったことが無い方が島への想いを馳せたり、島とそれ以外の地をつなぐきっかけになれたら嬉しい。フルーツだけでなく、生産者や栽培方法などにも何となくでも関心が向いて欲しい」
冷凍で届くButter Sand Holidayは、半解凍の状態が一番食べやすいけれど、個人的には完全に解けてバタークリームがふわふわの状態で食べるのもおすすめです。ひと口で宮古島気分になれますように。
おすすめ商品セレクションアーカイブ
たけもと農場の
リゾットMAMMA
能登きのこ
石川県産のイタリア米で作る本格きのこリゾット。さらっとしたお米なので調理してもべたつきにくくさっぱりといただけます。しいたけ、ポルチーニ、ひらたけ3種のきのこの旨みも格別です。調理時間は約20分。
逸味潮屋の
天然能登
寒ぶりのたたき
半解凍になったら、スライス。わさび醤油でも、付属の源助大根おろし入りのポン酢でも美味しいけれど、まずは何もつけずにそのままでどうぞ。能登の揚浜式の塩をふんだんに使うことで引き出された旨みが格別です。
大つるの
淡甘(うすあま)
あずき
丹波大納言小豆、和三盆糖にほんの少しだけの塩。この3つの材料に手間ひまを加えて丁寧に丁寧に銅釜で炊き上げた小豆のお甘です。小豆ってこんなに美味しかった? 思わず首を傾げてしまうクオリティをご堪能ください。
こまめ小町の
天然乾青のり
収穫した青のりにできるだけダメージを与えないように、海水で洗い、その後で真水をかけ、干場のロープに渡しかけて天日に干す。この作業を全部手で行うという手間のかかる作り方をした天然の青のり。ものが違います。
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オーシャンドリームの
はものまぶし4種
縁起が良い「瀬戸のみぞれ鱧」に椎茸、山椒、みかん、ゆずを炊き合わせた4種類の混ぜご飯の素。里山の恵みが鱧の美味しさをしっかりと引き出します。1袋でご飯茶碗約2杯分の混ぜご飯ができます。佃煮としても。
NEW
オーシャンドリームの
炙り鯛めしの素
豊かな瀬戸内海で餌や環境にこだわって大切に育てた真鯛を使用。鯛の出汁を生かした醤油ベースの味付けは余計なものを感じさせない美味しさ。簡単にできて何度も食べたくなるうえ、アレンジも楽しめる鯛めしの素です。